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材料インフォマティクスにおけるExplainable AI(説明可能なAI)活用ガイド— SHAPを用いた材料探索の新アプローチ

June 03, 2022
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説明可能なAIとSHAPを活用し、材料探索における配合と物性の関係性を可視化。高速開発と科学的根拠の両立を実現するアプローチを紹介します。

高精度なAI / 機械学習モデルは、「なぜその結果に至るのか」を十分に説明できないまま高い精度を示すケースが多く存在します。その結果として、R&Dチームは多くの時間とリソースを投じた後に「予測と実験結果の差異」に気づく、という問題が現場で依然発生しています。
Polymerizeでは、この課題に対して“Explainable AI(説明可能なAI)”を軸に、AIエンジニアと材料科学者が共同でモデルを検証するクローズドループ戦略を採用しています。
 
  • AI側では、ブラックボックス化しやすい高性能モデルに説明性(explainability / interpretability)を持たせ、入力配合と最終物性の因果・寄与関係を定量化
  • 材料科学者側では、学術根拠・材料科学の理論・既知研究に照らして、その関係性が“現実に成立するか”を検証
 
この往復型検証プロセスにより、PolymerizeのAIモデルは高速・高精度なだけでなく、「科学的に説明可能で信頼できる予測」 として進化し続けています。これにより、R&D現場での意思決定に確かな根拠をもたらし、最適化提案の背景を明確に説明できるようになりました。
本記事では、Explainable AIを材料合成に適用する具体例として、**ゲーム理論ベースの手法「SHAP」**を用いた実践アプローチを紹介します。さらに、Polymerize AIエンジンを高度化してきた独自の知見と運用ノウハウもあわせて解説します。
 

INTRODUCTION

AIは多くの産業で、データに基づく意思決定を大きく加速させてきました。
しかし 材料科学 / Materials Informatics は依然、AI導入が難しい領域のひとつです。
理由は、材料研究が本質的に「高コストで時間のかかる実験サイクル」に依存し、
多数の配合要因と複雑な物性が絡み合うためです。
AIは歴史データからパターンを学び、新条件に対する予測ができます。
しかし従来AIには “なぜその結果が算出されたのか” が見えない課題が残っていました。
そこで必要となるのが Explainable AI です。
Polymerizeは、モデル精度だけでなく
“説明可能であること”と“科学的妥当性” を必須条件とする方向へ舵を切りました。
 

SHAPで実現する「Explainable AI」の実践

Explainable AIを材料分野で成立させるうえで、Polymerizeが採用している代表的アプローチが SHAP(SHapley Additive exPlanations) です。
SHAPはゲーム理論にもとづき、モデル予測に対する各要因の“寄与度”を定量化します。
これにより、研究者は
  • どの成分が物性にどれだけ影響しているか
  • 相互作用が結果にどう効いているか
  • なぜその予測が導かれているのか
数値と可視化で理解できるようになります。
これは「予測が当たれば OK」ではなく、
“なぜそうなるのかまで説明できるAI” に進化させる極めて重要なステップです。
また、このExplainable AIの仕組みは、PolymerizeのAIアルゴリズムが時間とともに“学習し続ける”仕組みとも相性が良く、材料 R&DのOR実験設計(DoE)との連動にも強く活きています。

まとめ

高精度なモデルを「説明可能」にすることは、材料研究におけるAIの信頼性と実利用価値を飛躍的に高めます。
  • なぜこの配合で狙いの物性になるのか
  • どの要因が最終結果に最も寄与しているのか
  • どこを調整すれば次の一手になるのか
これらを“科学的根拠にもとづいて説明できるAI”が、R&D現場の探索と意思決定を支援します。
Explainable AIは、材料研究者・科学者・AIエンジニアが同じ視点で議論できる共通言語をつくり出し、結果として R&Dの確度・スピード・信頼性をすべて底上げする基盤 になります。
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Pranjal Biyani

ML Engineer

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